スマスコは小型軽量で安価な超望遠撮影システム!!
私は、広角から望遠をデジタル1眼カメラ、超広角をスマートフォンのSony Xperia 5 Ⅱで撮影しています。
最も焦点距離の長い望遠レンズは、35mm判換算の200mmです。先日、飛行機を撮りましたが、200mmでは撮ることが難しい被写体があります。
例えば野鳥です。野鳥撮影では、300mmは広角、500mmは標準、800mmは望遠と言われているそうです。私の200mmの望遠レンズは、野鳥撮影では超広角になってしまいます(笑)。
デジタル1眼カメラの超望遠レンズは、大きく重く高価ですが、スマートフォンとスコープを組み合わせたスマスコなら、小型軽量で安価に超望遠撮影が実現できます。
今回は、超望遠をカバーするために導入した、Xperia 5 Ⅱのスマスコについて紹介します。
K-3+DA★16-50 2023/9 「 Xperia 5 Ⅱのスマスコ+Velbon クイックシュー QRA-35L」
目次
スマスコとは
スコープ(フィールドスコープ、天体望遠鏡等)の接眼レンズの拡大像を、スマートフォンのカメラで撮影する超望遠撮影のことです。
合成焦点距離(mm)は、スコープ倍率(倍)×スマートフォンカメラ焦点距離(mm)です。デジタル1眼カメラと超望遠レンズの組み合わせに比べ、小型軽量で安価に超望遠撮影が実現できます。
デメリットとしては、光軸やケラレの調整に時間がかかる、スコープがマニュアルフォーカス、デジタル1眼カメラと比べてスマートフォンのセンサーが小さく画質が劣ります。
最近の高性能カメラのスマートフォンは、AI画像処理による高画質化やデジタル1眼カメラゆずりの撮影機能で本格的な写真も撮れるようになり、スマスコの画質や操作性の向上に期待できます。
フィールドスコープ
プリズムで正立像にしている地上望遠鏡です。スコープ本体と接眼レンズの組み合わせによって倍率を変えることができます。用途は、野鳥や天体観察、アーチェリーや射撃の標的確認等です。
私は、近距離の野鳥や花を対象に、スマスコによる撮影をメインにスコープを検討しました。
結果、対物レンズは至近距離(最短合焦距離)が短い有効径50mm程度のED(超低分散ガラス)レンズ、接眼レンズは低めの固定倍率タイプにしました。
遠距離の野鳥や天体観察には、対物レンズ有効径が大きい中、大型スコープが必要です。眼視がメインであればノーマルレンズも選択肢に入り、接眼レンズはズームタイプが使いやすいでしょう。
Vixen フィールドスコープ ジオマII ED52-S
EDレンズを採用した、携帯性に優れた伸縮式の小型スコープです。
仕様
- 型式:直視型
- 対物レンズ有効径:52mm
- 焦点距離:278mm
- コーティング:マルチコート
- サイズ:10.2cm×21.7cm×7.2cm(OPEN)、10.2cm×17.7cm×7.2cm(CLOSE)
- 質量:486g
特長
EDレンズの採用と、レンズまたはプリズムの3層以上の多層膜コーティングにより、収差の抑えられたハイコントラストな視野を実現しています。
専用のハンドホールディングケースが付属しています。窒素ガス充填による防水ではないので、ご注意ください。
K-3+DA★16-50 2023/9 「Vixen フィールドスコープ ジオマII ED52-S ハンドホールディングケース、Vixen フィールドスコープ用接眼レンズ GLH20D(広角)」
Vixen フィールドスコープ用接眼レンズ GLH20D(広角)
ジオマII ED52-Sとセット販売もされている、フィールドスコープ用接眼レンズです。
仕様 ※52mmは対物レンズ有効径
- 倍率:14倍/52mm
- コーティング:フーリーマルチコート
- アイレリーフ:18mm
- 実視界:3.3度/52mm
- 見掛視界:46度/52mm
- 1000m先視界:58m/52mm
- ひとみ径:3.7mm/52mm
- 明るさ:13.7/52mm
- 至近距離(眼視):約4m/52mm
- サイズ:64mm×46mm
- 質量:160g
特長
クリアで視界が広い接眼レンズです。対物レンズ有効径が52mmのスコープでは、広角(見掛視界60度以上)とはなりません。
スマートフォン
スマートフォンのカメラは、スマスコの周囲が暗くなるケラレを最小限にできる焦点距離の長い望遠が向いています。
スマスコのフォーカスは、スコープで大まかにマニュアルフォーカスすれば、スマートフォンのオートフォーカスでピントを合わせることができます。
スマートフォンのカメラが高画質でオートフォーカスが高性能なら、スマスコの画質や操作性も向上します。
Sony Xperia 5 Ⅱ
望遠カメラの仕様は、70mm(35mm判換算)/F2.4、1220万画素 PD AF 1/3.4インチセンサーです。スコープがVixen ジオマⅡ ED52-S+GLH20D(14×)なら、合成焦点距離は980mmです。
RAW現像対応で、AI画像処理による高画質化や最小限の画質劣化で表現の幅を広げることができます。オートフォーカスは、デジタル一眼カメラαゆずりの本格機能です。
スマートフォンアダプター
小型軽量で安価な、XY(左右、上下)軸を調整できるアダプターは、ケラレを取付け位置で調整するため時間がかかり、条件によってはケラレが残ります。
私は、大きく重たく高価ですが、XYZ(左右、上下、前後)軸を調整できるアダプターにしました。XY軸でケラレをセンターにしてからZ軸でケラレをなくすることで、短時間に光軸とケラレを調整できます。
CELESTRON NexYZユニバーサルスマホアダプター
K-3+DA★16-50 2023/9 「CELESTRON NexYZユニバーサルスマホアダプター、エレコム Bluetoothリモコン P-SRBBK+キーホルダー金具」
リモコン
超望遠撮影は、僅かなブレでも拡大されるため、シャッターブレ防止のリモコンが必要です。
エレコム Bluetoothリモコン P-SRBBK
最大10mの距離からスマートフォンのシャッターが切れるシンプルなBluetoothリモコンです。3分以上操作をしないと自動で電源がOFFになる電池消費を抑える機能がついています。
Xperia 5 Ⅱでは、カメラアプリの音量キー設定をシャッターにすることで動作します。紛失防止のため、キーホルダー金具を付けました。
まとめ
スマスコは小型軽量で安価な超望遠撮影システムとして、今まで、撮るのを諦めていた被写体に挑戦することができます。
今後は、広角から望遠をデジタル1眼カメラ、超広角と超望遠をスマートフォンでカバーすることで、機材の量や重さ、コストを抑えながら、幅広い被写体に対応していきたいと思います。
高齢になっても撮り続けたいフォトグラファーや、スマートフォンで撮る世界を広げたいスマフォトグラファーのみなさんの参考になれば幸いです。
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